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2015年02月11日

【蹴球書評】I AM ZLATAN 〜ズラタン・イブラヒモビッチ自伝〜




◆内容(「amazon」より)

人口1000万人の本国スウェーデンで50万部を超えるベストセラー! あの「ハリー・ポッター」さえをも凌駕する空前の大ヒット自伝、ついに邦訳!
「他の人と違っていいんだ。自分を信じ続けるといい。世の中いろいろあるけれど、俺だって何とかなったぜ。」
貧しかった少年時代から、一躍スター選手の座に登りつめ、現在にいたるまでの半生を綴った初の自伝。
グアルディオラ監督との確執、移籍の舞台裏、チーム内の人間関係など、業界人が青ざめるようなエピソードも満載。イブラヒモビッチ自身による赤裸々な言葉が詰まった本書は、ユーモラスなのに毒もあり、深い愛にも満ちた稀有な自伝に仕上がっている。



◆イブラヒモビッチの光と闇

イブラヒモビッチといえば、その高い身体能力を活かした数々の“ゴラッソ”が思い出されますが、その輝かしいプレーと共に決まって呼び起こされるのが、“ダークサイド”での悪行

自分は、“イブラマニア”というわけではありませんが、彼の名前を聞いて思い出す、“良い”プレーと、“悪い”プレーがこちら。






「人を殺す気か?!」と思わずにはいられない超絶フリーキックと、「人殺したことあるな?!」と思わずにはいられない顔。個人的にインテルが好きなので、その頃のイメージが強いのかもしれません。

ちなみに自伝では、このフリーキックを決めた当時のことにも触れています。この頃は、バルセロナへの移籍を画策していて、インテルのコアサポーターであるウルトラスから、強烈なブーイングを度々受けていたようです。

ゴール後に“喜んでいる”というよりは、“怒っている”ように見えるのは、「見たかこの野郎!」とい気持ちの表れなのでしょう。祝福に駆けつけたけれど跳ね除けられてしまった、ムンタリとマイコンが可哀想です。笑

一方、ミラノダービーで起こった一触即発のPK。元チームメイトであるインテルのGKジュリオ・セーザルが「正直者なら外すだろ?」と、挑発したと言われています。

PKをしっかり決めたイブラは、その後とんでもない悪人顏でジュリオに何かいい返していますが、自伝はこれより前に発売されていた為、なんと言い返したのかは定かではありません。

しかし、この本を読めば大方の想像はつきます。「おれに喧嘩売る気か?ただじゃおかねぇぞ」とか、「おれを怒らせるなよ?この〓〓野郎」といったところではないでしょうか?笑

“イブラカタブラ”と呼ばれるファンタスティックなプレーヤーであると同時に、歯に衣着せぬ物言いと数々の蛮行で“悪童”と言わしめるイブラ。

この本ではそんなズラタン・イブラヒモビッチの“裏表”が存分に語られています。



◆これは自伝?それとも暴露本?

この本が欧州で社会現象となるほどヒットした一番の理由は、他でもない“ペップ・グアルディオラとの確執”が赤裸々に語られているからでしょう。

故に、この本はイブラの自伝というよりは、暴露本と思われている方が多いのではないのでしょうか?少なくとも、自分はそう捉えていました。笑

では、実際読んでみてどうだったか?先に答えを言ってしまえば、「どっちでもある」というのが正直な感想です。

上記したグアルディオラとの確執をはじめ、数々のエピソードをもっているイブラだけに、それらを簡単にまとめて暴露本にすることも可能だったと思います。

しかしこの本では、壮絶な家庭環境の中、“ゲットー”で育った幼少期のことから始まり、イブラがいかにしてイブラに成り得たのか、そのルーツが事細かに綴られています。

冒頭こそ、ペップとの確執の話題で始まるものの、その後は彼の生い立ちに沿って当時の思いが密に語られていて、決してただの暴露本ではないというのが、自分の受けたこの本の印象。

かといってただの自伝かと言われれば、そうではなく、そこかしこに暴露話が埋まっているのもまた事実。

ただし、気をつけたい点が一つ。何よりもこの本が証明しているように、イブラは決して“聖人君子”というわけではありません。嘘とまではいかずとも、誇張や一方的な解釈が含まれている気がしてなりません。笑


この本の中で、特に印象的な一文がありました。イブラが育った移民街のとある暗い高架下に、スプレーっで書かれていたという落書きです。

「少年がゲットーを抜け出すことは簡単だが、少年の心からゲットーを取り去ることはできない」

海外には、過酷な幼少期を過ごし、サッカーで成り上がったという選手は少なくありません。イブラもこの本で、数々の悪行を働いてきたことを(既に知れ渡っている事も多々あったものの)告白してますが、そこには彼なりのルールが存在していました。

現在の日本人には殆どみられない(先日紹介した福田健二など例外はいると思います)、“ゲットー”育ちの選手への見識を深めるには、絶好の一冊かと思われます。

“変わり者”と揶揄されてきた自身の体験をもとに、同じような扱いを受けている子供達に対しての「周りと一緒である必要なんてない。変わらなくていい、そのままでいいんだ」といったメッセージ(自己解釈によるもの)は、ともすれば“聖人君子”よりも遥かに励みになるのではないかと感じました。




著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

イブラヒモビッチ,ズラタン
1981年10月3日スウェーデンで生まれる。父はボスニア人、母はクロアチア人。マルメFFでプロデビューし、アヤックス、ユベントス、インテル、バルセロナ、ミランでプレーする。全クラブでリーグ優勝を勝ち取る

ラーゲルクランツ,ダビド
1962年生まれ。スウェーデン人登山家ヨーラン・クロップの生涯を描いた「Ultimate High:My Everest Odyssey」で1997年に文筆家デビュー

沖山/ナオミ
慶應義塾大学文学部史学科卒業。翻訳者








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posted by リーオー at 13:03 | Comment(2) | 本、雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
とても興味深い内容で面白かったです。周りと一緒である必要なんてない!という言葉は多くの人に届けたいですね!
Posted by KEI at 2015年04月21日 16:18
>KEIさん
コメントありがとうございます!
ズラタンのような選手は日本ではなかなか受け入れられないかもしれませんが、個人的には人間味があって好きな選手です!
Posted by リーオー at 2015年04月28日 23:42
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